方針

大学教員としての基本的な考え方

大学教員の仕事は、大きく分けて、教育・研究・社会貢献の3つがあると言われます。
これらのどれに重点を置くか人それぞれですが、私は大学の本務は教育にあると考えます。何故なら、研究だけするのであれば官民様々な研究所がありますし、大学などよりずっと研究環境に恵まれたところはいくらでもあります。また、社会との関わりを持つ者であれば、多くの人は大なり小なり社会貢献をしていて、何も大学教員が特に社会貢献をしなければならないという理由はありません。しかし、学生の教育は、大学でしか出来ないことです。大学は学生を通して「」の伝承を行い、社会に出た彼らが「知」を実践しながら新たな「知」の創造に関わっていく、これこそが大学に科せられた使命だと考えます。
このような考え方に立ち、私自身は大まかに以下のような心がけで仕事をしています。
教育(学内業務を含む):研究:社会貢献=3:1:1
もちろん、何が単位なのかは曖昧ですし、数字は多分に概念的なものであって、その時々によって変わります。要は、何よりも教育が第一、ということです。


教育の方針

大学において学生に何を教育すべきか、一言で言い表すのは非常に困難です。
私が講義で心がけているのは、学生が知的活動へ興味を持つことを促すため、彼らに「体系化された知」を紹介することです。
研究室に配属された学生を教育する上で私が最も力を注ぐのは、論理的思考能力の鍛錬です。卒業研究を通じて、論理的思考力と文章力を身につけて欲しいと考えます。


研究の方針

成果主義が叫ばれ短期間での成果を求められる風潮の中で、特に、官民の研究機関では「知の体系化」に取り組む余裕がなくなっていると思われます。
これに対し、私自身の研究姿勢の根底には、「知の体系化」への強い欲求があります。
「逆解析」がそうであるように、関連する研究を俯瞰して新たな体系を作ることに、研究者としての醍醐味を感じます。
同時に、私自身は一人の工学者として、データを用いた実証研究にも重点を置いています。


社会貢献の方針

大学教員が、行政や民間企業の人達とは違う立場で社会貢献できる一つの方法は、「正論」を展開することだと考えます。現実を知らないと批判されることがあるかも知れませんが、正論を語ることは、しがらみというものがほとんどない大学教員に期待される仕事の一つではないでしょうか。
自分が社会に貢献し得る対象として、現在、測量と不動産に関する分野を考えています。